武田肇
ピンク髪のかつらに仮装用めがね。そんな「きもかわいい」運転手がハンドルを握る「妖精タクシー」が緊急事態宣言下の大阪の街を走っている。コロナ禍で売り上げが減ったタクシー会社「未来都(みらいと)」(大阪府守口市)が6月から話題作りに運行を始めた。
車内に特別な装飾は施しておらず、一見ふつうのタクシー。ただ、乗車すると運転手から同社の宣伝文句をSNSに投稿するように「要請」される。強制でないため従わなくても良いが、応じると「協力品」がもらえる。
でも、なぜ「妖精」なのか。アイデアを出した同社顧問は「ここだけの話、我慢と『要請』ばかりの世相への皮肉を明るく表現してみました」。
584台のタクシーを保有する同社は「夜の街」の人出が激減したことなどから売り上げが3割減。広告を出すのも厳しく、経費をかけずにネットで「バズる」ことをめざした苦肉の策という。
「笑いに寛容な大阪以外でやると、悪ふざけが過ぎると言われるかもしれませんが」(同社顧問)
密を避けるため運行計画は非公表で、緊急事態宣言が解除されれば終了。同社はコロナ禍の前から、運転手が白装束姿のお化けに扮した「霊感タクシー」などユニークなタクシーを走らせ、話題を集めてきた。(武田肇)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル